イラン、米国とイスラエルへの報復を予告 - パイロット救出と中東情勢緊迫
テヘラン発 - イランの軍幹部が、米国のドナルド・トランプ大統領による「地獄」を想起させる制裁の警告に対し、「壊滅的な報復」を予告し、中東地域の緊張が極限に達している。同時に、イランは米軍パイロットの救出に成功したと発表、事態は複雑さを増している。
イランの脅威、米イスラエルへの報復声明
イラン最高司令官アリ・アブドラーヒー氏は、同国のインフラに対する攻撃があれば、「米国軍およびイスラエル支配層が使用する全てのインフラに対し、制限なく壊滅的な報復攻撃」を行うと発表した。これは、トランプ大統領がソーシャルメディア「Truth Social」で、「ホルムズ海峡を通過するか、合意するか、10日間で地獄が解き放たれる」と述べた直後であった。この発言は、緊迫した交渉の行方を暗示している。
しかし、事態は一転。トランプ大統領は、イラン領内で撃墜されたF15戦闘機のパイロットが救出されたと発表した。もう一人の乗員も既に救出されている模様だ。「我々は大成功だ! 勇敢な米軍が、我が国の乗員を救出するための、史上最も大胆な捜索救難作戦の一つを実行した」と、トランプ大統領は続けた。パイロットは負傷を負ったものの、現在は無事であるという。

イスラエルの軍事行動、レバノンとイランへの同時攻撃
一方、イスラエル軍は、レバノンとイランに対し、金曜・土曜にかけて同時多発的な攻撃を行ったと発表。レバノンでは140以上の目標、イランでは200以上の目標を攻撃したと主張している。中でも、イランのマフシャールにある石油化学コンビナートへの攻撃は注目される。イスラエル側は、この施設が爆薬、ミサイル、その他の兵器の製造に使用される化学物質を生産・輸出していると主張し、イラン軍の能力を弱体化させる狙いであると説明した。
さらに、イスラエル軍は、レバノンとの国境にあるマスナアの検問所を攻撃する意向を示した。同検問所は、シリアとレバノンを結ぶ主要な幹線道路であり、ヒズボラが軍事目的や密輸に利用していると主張されている。2024年の10月危機時にも、この検問所は、イスラエルからの攻撃を逃れるために多くのシリア人とレバノン人の避難民が利用した。
今回のパイロット救出と、それに伴うアメリカの迅速な対応、そしてイスラエルの軍事行動は、中東地域の不安定さをさらに増幅させている。今後の交渉の行方、そして地域の緊張緩和への道筋は、依然として不透明である。