イラン、首都機能麻痺:ネット遮断が深刻化、市民生活に暗雲
イラン国内で1月8日以来続く大規模なインターネット遮断が、深刻な事態を招いている。首都テヘランでは、市民がビザ申請に奔走する中、情報へのアクセスが寸断され、社会全体に混乱が広がっている。
市民の日常を蝕む:インターネット遮断、政府の意図は
ネットブロックズというインターネット接続状況を監視する組織によると、この遮断は14日以上に及ぶ。イラン政府は、2026年1月25日に発生した激しい抗議活動を背景に、この措置を講じたと説明している。しかし、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、これは情報統制と反体制派の運動を抑え込もうとする意図的な行為だと批判している。
インターネット遮断下でも、市民は様々な手段で外部との繋がりを模索している。例えば、オランダのラジオ局が運営する短波放送は、依然として情報源として利用されている。しかし、その情報源は政府による検閲のリスクに晒されている。
さらに、国際的な人権団体ウィトネスのMahsa Alimardani氏は、電話による連絡も行われているものの、政治的な話題、特にアヤトラー・アリ・ハメネイ最高指導者の暗殺に関する議論は避ける傾向にあると指摘する。安全上の懸念から、短い電話でのやり取りは、表面的なものに留まっている。
VPN(仮想プライベートネットワーク)も利用されているが、政府当局からの警告メッセージを受け始めた人もいる。以前はPsiphonといった高度なVPNサービスが利用されていたが、現在ではアクセスできるユーザーはわずか10万人以下にまで減少。技術に精通した層に限られる状況だ。
米国を拠点とするTooshehという非営利団体は、衛星放送技術を利用したデータ送信システムを開発。ユーザーはUSBメモリに録画された情報をスマートフォンやコンピューターで解読し、共有する。2025年には約300万人のアクティブユーザーを抱えていたが、現在ではその数は不明だ。教育コンテンツに加え、安全に関する情報も提供する。
イーロン・マスク氏のSpaceXが提供する衛星インターネットサービスStarlinkは、情報伝達手段として利用されているが、価格が高額で入手困難なため、貧困地域では利用できない状況。アムネスティ・インターナショナルは、Starlinkを所持している、あるいは利用している人物が自宅捜索を受け、逮捕される事例を報告している。当局は、海外との通信を試みる者に対して、投獄から死刑までという厳しい処罰を科している。
このインターネット遮断は、イラン社会に深刻な影響を与えている。経済活動の停滞、市民生活の混乱、そして政府への不信感の増大。この状況が、今後どのように展開していくのか。情報統制は、真実を隠蔽するだけでなく、社会の進歩を阻害する.