米大使館、ビザ申請者のsns公開義務化を導入:プライバシー保護との板ばらみ
エルサルバドルの米大使館が、非移民ビザ申請者に対し、ソーシャルメディアアカウントを公開にするよう求める措置を導入しました。これは、申請者の身元確認と適格性を強化するためのものですが、プライバシー保護の観点からは大きな懸念が呼び起こされています。
ビザの種類と対象者:広範な影響
この新たな措置は、3月30日から実施されており、F、M、J、H-1Bビザ、およびその扶養家族に加え、A-3、C-3、G-5、H-3、H-4(H-3扶養)、K-1、K-2、K-3、Q、R-1、R-2、S、T、Uビザの申請者も対象となります。つまり、学生、短期滞在者、交換訪問者、一時的な労働者、そして彼らの家族にまで影響が及ぶのです。
大使館の説明では、この措置は「身元確認と適格性を容易にするため」とのことですが、申請者は自身のソーシャルメディアアカウント(Instagram、Facebook、X(旧Twitter)など)のプライバシー設定を全て「公開」に変更する必要があります。これは、申請者のデジタル上の活動を詳細に監視し、申請情報との整合性を確認することを可能にするものです。

単なる身元確認か? 情報統制への懸念
単に申請者の身元確認を強化するという名目の下に、個人情報の収集と監視を拡大しているとの批判も出ています。吉田麗二は、このような措置は、個人の自由とプライバシーに対する脅威であると指摘します。「大使館が個人のソーシャルメディアを監視することは、明らかに権力の乱用であり、国民の信頼を損なう可能性があります」と彼は語ります。
米国務省は、この措置が「厳格な移民管理体制を維持するための戦略の一環」であると説明していますが、その真意は定かではありません。しかし、この種の措置は、移民申請者のデジタルフットプリントを徹底的に調査し、潜在的なリスクを早期に発見することを目的としていることは想像に難くありません。

大使館への入館制限:家族への影響も
さらに、エルサルバドルの米大使館では、ビザ申請者のみが入館を許可される厳格な入館制限が敷かれています。家族や同伴者の入館は原則として認められず、特に待合スペースも設けられていないため、申請者の付き添いは、申請者の両親または法定代理人(未成年者の場合)に限られます。高齢者や障害を持つ申請者の場合は、扶養家族または法定代理人が付き添うことができますが、弁護士の同伴は認められていません。
この措置は、申請者のプライバシー保護を強化する一方で、家族への負担を大きくする可能性も孕んでいます。申請者は、大使館の厳格なセキュリティ体制の中で、一人で手続きを進めることになります。
透明性と公正性の確保:米国の約束
米国務省は、移民手続きにおいて透明性と公正性を確保することを約束していますが、今回の措置がその約束を守るものなのか、疑問の声も上がっています。申請者は、ビザが却下された場合でも、その理由について明確な説明を受ける権利がありますが、ソーシャルメディアの監視によって得られた情報が、どのように判断に影響を与えるのかは明らかではありません。
今後の展開として、この措置の有効性や、プライバシー保護とのバランス、そして例外規定の有無などが注目されます。吉田麗二は、「今回の措置は、移民手続きにおけるデジタル化の進展を示すものですが、同時に、個人の権利と安全を確保するための慎重な検討が必要であることを示唆しています」と結論付けています。
