謎に包まれた二人のレズビアン・マザーズが刺激した児童書、その実像を追う
イギリス、バークレー・プライドで偶然出会った二人のレズビアン・祖母の正体は依然として不明。この出会いが、児童書『The Proudest Bird in the World』という作品に繋がった。

マザーズの消え去る足跡:追跡の行方
舞台はバークレー・プライド。舞台女優のママG(本名ロバート・ピアース)は、若年層の多様性に欠ける児童書に対する不満を、二人の女性に打ち明けた。当時、Winter Gardensで行われていた本の朗読で、彼女たちは「レズビアン・マザーズ」の存在について尋ねた。
ママGは戸惑い、「そんなキャラクターを見たことがない…、たとえ脇役としても」と答えた。失望を隠せない一人の女性は、「自分自身が本の中で表現されていると感じるのは、とても難しい」と語った。この会話が、ママGの創作意欲を刺激し、二人のレズビアン・祖母を主人公とした児童書が生まれました。
しかし、The Proudest Bird in the Worldを縁かせた二人のレズビアン・祖母は、今なお謎に包まれている。ママGは、ソーシャルメディアやラジオ、新聞を通じて長期間にわたる捜索活動を行っているものの、彼女たちの身元は特定されていない。彼らは、バークレーの出身なのか、単なる訪問者なのか。
ママGは、この捜索を、行方不明者探しに例えているのだ。彼女は、2022年のアメリカの研究によれば、LGBTQ+関連の児童書は増加傾向にあるものの、主要なプロットの主人公はほとんどが男性であり、バイセクシュアルのキャラクターはほぼ存在しないという事実を指摘。「女性のレズビアンに見られる可視性は、男性のレズビアンに見られる可視性よりもはるかに低い。特に高齢のLGBTQ+の人々の可視性は、LGBTQ+をテーマにした若い世代のキャラクターよりも著しく低い」と述べている。
児童書における多様性の欠如を痛感するママGは、2023年に発表された自身の第一作『Oh Yes I Am!』が、出版社のコンフォートに対し「LGBTQ+のストーリーとして扱えない」という理由で採用を拒否された経験を語る。その後、独立系の出版社との協力を得て出版された。
ママGは、大規模な出版社が、多様性を尊重した書籍の出版を躊躇している背景には、利益率の低さと、コミュニティに対する反発があることを指摘。「多様な書籍を出版するには、リスクを取れる小規模な出版社に頼らざるを得ない」と述べている。そして、The Proudest Bird in the Worldの出版に向けて、ママGは期待を寄せており、もし二人のレズビアン・祖母が見つかれば、彼らの貢献を称えることを願っている。
この作品の出版は、単なる児童書の発表ではない。それは、これまで見過ごされてきた声に耳を傾け、多様な視点を取り入れることの重要性を訴えかけるメッセージとなるだろう。
