アドルニ長官、不動産疑惑で大統領も苦境へ

アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、閣僚団との緊急会議を執り行ったものの、政権内部の不穏な空気を完全に払拭するには至らなかった。一連の騒動の中心にいるのは、大統領府長官マヌエル・アドルニ氏。彼に対する不正蓄財疑惑が渦巻く中、大統領は閣僚の結束を固めようと試みたが、その裏で新たな情報が明るみに出始めている。

元サッカー選手の証言が波紋を呼ぶ

元サッカー選手の証言が波紋を呼ぶ

今回の閣議は、国土省のサンティリ大臣、人事省のペットベッロ大臣の誕生日祝いを兼ねていた。ミレイ大統領は当初、両大臣に短い挨拶をするだけで退席する予定だったが、会議の冒頭で自ら議長を務めることになった。これは、アドルニ氏への信頼を改めて示唆する動きと解釈できる。しかし、その直後、連邦検察官のポリティータ氏が、元サッカー選手のフugo モラレス氏を証人として喚起したことで、事態はさらに複雑化した。

モラレス氏が以前所有していたキャバリート地区のマンションを、アドルニ氏とその妻が20万ドルの安価で取得したとされる疑惑だ。このマンションは、後にほぼ200平方メートルの広さで、2人の年金受給者を通じてアドルニ氏夫妻に手渡された。モラレス氏の証言は、不動産取引の裏に不審な動きがあったことを示唆しており、政権への打撃は避けられないだろう。

今回の騒動は、ミレイ政権にとって大きな試練となる。アドルニ長官の疑惑に加え、Libra案件の動向も注視する必要がある。大統領は閣僚団の結束を呼びかけているが、政権内部の亀裂は深刻さを増しており、今後の展開によっては政権運営に大きな影響を与える可能性も否定できない。

閣僚会議には、アントニオ・カスト氏も出席し、政権内の結束強化を図った。また、フェデリコ・シュトゥルツェネッガー氏(規制緩和・国家転換相)、マリオ・ルゴネス氏(保健相)、パブロ・キルノ氏(外交相)、アレハンドラ・モンテオリバ氏(安全保障相)など、主要閣僚も参加した。上院・下院の幹部や法務官も同席し、政府全体でこの問題に取り組む姿勢を示している。

アドルニ長官は、今後数日中に書記官アドリアナ・ネチェヴェンコ氏の証言を受ける予定だ。ネチェヴェンコ氏が、アドルニ氏夫妻がマンションを取得した経緯について詳細を語ることが期待される。

ミレイ大統領は、この危機を乗り越え、政権の安定を取り戻すことができるだろうか。しかし、現時点では、アドルニ長官の疑惑が政権に及ぼす影は深く、その影響は計り知れない。