オーストラリア、供給不安高まる:マレーシアなどからの原油供給削減の可能性
オーストラリアの燃料需要の高まりを受け、主要な原油供給国であるマレーシアや韓国が、国内の燃料需要を優先するため、供給を削減する可能性があると、エネルギー専門家は警告している。イラン情勢の長期化が供給網に深刻な影響を与え、国内のガソリンスタンドで在庫切れが発生する事態も出てきた。

マレーシア、自国需要を最優先に
オーストラリアにとって最大の原油供給国であるマレーシアは、政府が「自国のニーズを優先し、それから海外からの需要に対応する」との姿勢を示している。エネルギー大臣のクリス・ボウエン氏は、マレーシアからの供給削減に関する公式な発表はないと述べたものの、現状では、オーストラリアへの燃料供給に支障はないと主張する。
しかし、エネルギー金融アナリストのケビン・モリソン氏は、マレーシアの公式な警告を「非常に重大なもの」と捉えている。オーストラリアは、国内の二つの製油所を動かすために、原油の輸入に大きく依存しているからだ。モリソン氏は、韓国、日本、インドも同様に、原油輸入に依存しており、原油供給が減少した場合、国内需要を優先する可能性が高いと指摘する。
ニューサウスウェールズ州では、すでに107のガソリンスタンドでディーゼル、42のガソリンスタンドで燃料が不足している。州政府は、燃料供給の緊急事態宣言を発令する準備を進めており、必要に応じて燃料の配給を調整する権限を持つ。しかし、ボウエンエネルギー大臣は、現状では燃料供給は途絶えていないと強調する。
一方、国土資源相のマット・カナバン議員は、オーストラリアでの油田開発を推進し、国内のエネルギー自給率を高めるべきだと主張している。彼は、オーストラリアが「神から与えられた資源」を活用することで、価格を低減し、生活水準を回復できると訴える。
しかし、ボウエン大臣は、環境承認を得た上で、適切な地域での油田開発を検討する姿勢を示している。オーストラリアのエネルギー供給は、国際情勢に大きく左右される。政府は、国内のエネルギー安全保障を強化する戦略を急ぐ必要がある。
ガソリンスタンドでの燃料不足は、消費者の生活に直接的な影響を与えるだけでなく、経済活動にも深刻な打撃を与える可能性がある。供給の安定化が、今、最も重要な課題だ。